- 2017. 07. 12
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- 税制改正
平成29年度 税制改正のポイント
デロイト トーマツ税理士法人
藤澤 文太 / 間中 春樹
1. はじめに
皆さん、こんにちは。デロイト トーマツ税理士法人の藤澤です、間中です。今回は平成29年度税制改正のうち特に会社の税務に影響の大きいものをわかりやすく解説いたします。このコラムを通じて、読者の皆さんが税務に関する理解を深め、日々の業務に生かしていただけることを願っています。
2. 平成29年度 税制改正のポイント
税制改正は毎年行われ、その内容は毎年めまぐるしく変わっていきます。改正内容をすべて網羅することはとても大変な作業であると思います。そこで今回は平成29年度税制改正項目のうち、皆さんの会社にとって特に影響が大きいと思われるものを取り上げて説明します。
平成29年度の税制改正では、「一億総活躍社会」の実現と日本全体の成長力の底上げを目指し、特に法人関係の改正では、企業の「攻めの投資」や賃上げの促進など経済の好循環を促す取組みが行われています。
具体的には、「イノベーション」や中堅・中小企業者による設備投資、コーポレートガバナンスの強化を促すための取組みを進めるとともに賃金の引上げを促し、企業経営者が賃上げや投資拡大などに積極的に取り組むことを期待しています。
また、国際税務関係では日本企業の健全な海外展開を支えつつ国際的な租税回避への効果的な対応の一環として、外国子会社を通じた租税回避の抑制を目的とする「外国子会社合算税制」が総合的に見直されています。
平成29年税制改正内容の全体像
「一億総活躍社会」の実現と、日本全体の成長力の底上げを目指す
働き方改革、イノベーションの促進 |
就業調整を意識しなくて済む仕組みの構築 |
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企業の「攻めの投資」や賃上げの促進など経済の好循環を促す取組み |
- 研究開発税制の見直し
- 所得拡大促進税制の見直し
- コーポレートガバナンス改革
- - 法人税等の申告期限の延長可能月数の拡大
- - 法人の支給する役員給与等に係る見直し
- 組織再編税制等の見直し
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中堅・中小企業の支援 |
- 地域中核企業向け設備投資促進税制の創設
- 中小企業向け設備投資促進税制の拡充
- 中小企業の賃上げを促すための税制措置
- 生産性向上のための固定資産税の特例の拡充
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地方創生の推進 |
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国際課税 (海外成長の日本経済への還元、国際的な租税回避への対応) |
外国子会社を通じた租税回避の抑制 |
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高度外国人材等の受入の促進 |
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その他 |
- 酒税改革
- 車体課税の見直し
- 円滑・適正な納税のための環境整備
- 非上場株式等に係る相続税等の納税猶予制度の見直し
- 取引相場のない株式の評価方法の見直し
- 災害への税制上の対応に係る規定の常設化
等
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また、平成28年6月2日の閣議決定により、消費税率10%への引き上げについて平成29年4月1日から平成31年10月1日まで再延期されることが決定しています。
これに合わせ、消費税の軽減税率及び適格請求書等保存方式(インボイス方式)についても、同様に延期されることとなりました。