2021年度 税制改正のポイント
デロイト トーマツ税理士法人
渡辺 寛己 / 江﨑 隆一 / 旗 知満
(5) 賃上げ・投資促進税制等の見直し
大企業向けの賃上げ・投資促進税制の適用要件が、新規雇用者の給与等支給額の増加に着目した内容に見直されました。
また、中小企業向けの所得拡大促進税制については、既存の雇用者の賃上げにかかわらず、雇用を増加させる企業を下支えする観点から要件が見直されました。
賃上げ・投資促進税制の見直し(大企業向け)
所得拡大促進税制の見直し(中小企業者向け)
- 適用時期
-
2021年4月1日から2023年3月31日までの間に開始する各事業年度で適用されます。
(6) 大企業についての一定の租税特別措置の停止措置の延長
大企業につき研究開発税制その他生産性の向上に関連する税額控除の規定を適用できないこととする措置について、図のような見直しが行われ、また、適用期限が3年延長されました。
- 適用時期
-
2024年3月31日までに開始する事業年度に適用されます。
(要件の見直しは2021年4月1日以後に開始する事業年度より適用されます。)
(7) 税務関係書類への押印義務の見直し
提出者等の押印をしなければならないこととされている国税の税務関係書類及び地方税関係書類について、一定の税務関係書類を除き、押印は要しないこととされました。
区分 | 改正内容 |
押印義務が廃止される書類 (税理士の押印も含む)
|
- 所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税や地方税の申告等関係書類
- 各種税目の申請書・届出書・調書その他の書類
- その他税理士法に定める税務関係書類及び地方税関係書類、税理士法に定める一定の添付書類
|
改正後も押印が求められる書類
|
- 担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
- 相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類
|
- 適用時期
-
2021年4月1日以後に提出する国税の税務関係書類及び地方税関係書類について適用されます。