会計システム導入事例:会計業務の生産性向上と制度対応
ヒューマンホールディングス株式会社様:OPEN21導入事例―教育事業
教育事業を中心に事業の多角化、海外へとフィールドを広げ、成長されているヒューマングループ様。
その成長を支える会計システム検討の際、どのような課題があり、どうOPEN21導入を決定し、どのような効果が
あったかを執行役員 経理部長 石木様にお話をお伺いしました。
専門ベンダーの会計システムと支援により
会計業務の生産性向上と制度対応を実現!
- ヒューマンホールディングス株式会社
- 執行役員 経理部長
- 石木 孝之様
- ユーザー様ご紹介
会社名 |
ヒューマンホールディングス株式会社 |
所在地 |
東京都新宿区西新宿7-5-25
西新宿木村屋ビル1F |
設立 |
2002年8月 |
資本金 |
12億9,990万円 |
売上高 |
744億1,600万円(2017年3月期連結) |
上場 |
JASDAQ(上場コード:2415) |
主な
事業 |
・グループ全体の戦略的意思決定、
子会社の管理および経営指導、
事務管理受託業務
・事業紹介:教育、人材、介護、保
育、アリーナ、美容関連、IT事業 |
その他 |
グループ企業:29社
事業拠点数:320拠点
グループ従業員総数:3,150人
(2017年3月時点) |
URL |
https://www.athuman.com/ |
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- 導入の背景(2009年時点)
- 旧会計システムの2010年保守サポート終了
- オフコンシステムのため、事業拡大への対応困難
- J-SOX法等、最新の制度対応が必須
- OPEN21の選定ポイント
- 経理担当者が納得する操作性(伝票入力と伝票検索)
- 管理項目の拡張性での安心感(長く利用可能)
- 担当者の姿勢から信頼できるパートナーと判断
- 導入後の効果
- 子会社増加に対し、生産性向上による労働時間抑制
- 伝票入力・検索・問合せ機能による生産性向上
- 2014年4月 IT全般統制の有効化をスムーズに実現
新規事業やグループ会社増加に伴う業務量の増大に生産性向上が必須!
―検討時の背景や課題を教えてください。
執行役員 経理部長
石木 孝之様
2009年時点で、2003年から使用していた旧会計システムの保守サポートが2010年に終了する事が検討のきっかけでした。
旧会計システムは、オフコンで稼働するシステムで、直面していた課題としては、新規事業の展開やそれに伴うグループ会社及び拠点数の増加で、管理部門の更なる生産性向上が求められていました。また、保守サポート終了に伴い、対応が必須である会計制度改正に対応できる体制構築が必要でした。
例えば、生産性向上の面では、紙で起票・承認した振替伝票をAccessで開発したシステムに手入力する必要があり、会計データの遡及処理においては、会計伝票の検索機能が不十分で、月次処理等において非常に時間がかかっていました。当グループは、持株会社によるシェアード形式により会計業務を集中管理していたので、この非効率さはグループ会社数分の作業ボリュームとなっていました。会計制度改正への対応面では、2008年施行の金融商品取引法=内部統制への対応で、人的なコントロールに頼らざるを得ず、また当時2016年予定されていたIFRS強制適用、今後改正があった場合の商法・会社法・税法への対応可能な体制構築が必須でした。
以上の状況を踏まえ、次期会計システム検討における導入方針を次の4点とし、具体的な検討活動に入りました。
①最新の法改正に対応しているパッケージシステムを選択
②当時、IFRSについて対応を表明していた会計ベンダーを選択
③処理会社数やデータのボリュームが多いため、データ量の制限がなく、処理速度の速いシステムを選択
④要求する業務範囲を網羅し、業務の効率化を実現できるシステムを選択
- ※2018年2月時点:2016年に予定されていたIFRS強制適用は延期となり、当グループは、日本基準で開示のため未対応です。
経理担当者が納得する入力・検索機能の操作性からOPEN21採用を決定!
―OPEN21導入を決定された理由を教えてください。
2011年4月本稼働を目標に2009年12月から情報収集、課題整理、ICSさんを含め3社のベンダー様にデモ・RFPを依頼、詳細検討し2010年6月末にOPEN21採用を決定しました。当時、旧会計システムは、操作面で各担当者の不満が大変大きくなっていました。そこで、担当者の納得性を高めるため、トップダウンではなく、グループ各社の担当者9名でデモや提案を受け、16項目の得点の総合計で選定することとしました。
提案依頼をした3社様は、上記の導入方針①~③を満たしていたので、主に④を選定項目として、入力・検索・セキュリティ等の機能面と導入後のサポート体制面について比較検討しました。
どのベンダー様もほぼ要件を網羅している中でOPEN21の伝票入力・検索機能は満場一致で評価が高く、さすが会計専門でシステム開発を行ってきたベンダーさんであると感じました。特に伝票検索は、入力項目すべてにおいて複数の条件指定が可能で、あらゆるシーンが想定されているので、非常に優位性があると評価しました。
次に管理項目の拡張性です。OPEN21のファイル構造は、勘定科目・部門・取引先等の他に汎用管理項目があり、必要な時に入力・検索・集計等の項目として利用できるとのことで、将来の管理要求にも設定変更のみで対応できると評価しました。
さらに、実は一番大きな評価点かもしれませんが、デモンストレーションは、各ベンダー様を担当者全員で訪問し、ご対応頂きました。その際、ICSのご担当者様はじめスタッフの方々の対応が非常に丁寧で、導入後の長いお付き合いとサポートもお任せして大丈夫と感じられました。余談ですが、当時の営業本部長(現社長)さん自らが、屋外の喫煙所まで当社担当者をご案内頂ける程、その丁寧な対応は徹底されていました。
上記のような理由で、OPEN21が、担当者からの支持を集め、最高得点となったと考えています。
―どのようなOPEN21の構成をご選択されましたか?
導入システムは「基本会計」「管理会計」「連結決算連携」「固定資産」「法人税申告」です。(OPEN21導入イメージ:参照)
2018年2月現在、パブリッククラウド環境にOPEN21をセット、国内グループ18社集中管理にて運用しています。
基幹システムの各業務システムから自動仕訳し、直接入力した伝票と合わせて各社の月次・通期等の決算確定処理を行っています。
確定したデータから「管理会計」機能により経営管理用データの計算処理を行い社内ポータルである「e-human」へデータ連携、各社の部門別予算実績対比表の公開を行っています。
連結処理は、「連結決算連携」機能により連結用のコード変換等を行い、既存の連結決算システムへデータ連携しています。その他、「固定資産管理」「法人税申告」により、税務業務を行っています。
業務量 約1.5倍増加に対し、総労働時間を低く抑えられています!
―OPEN21活用により、どう会計業務の生産性を向上しましたか?
最大の効果は、検索・問合せ機能により経営者・管理者からの質問にタイムリーな回答が可能になった事です。
例えば、検索機能では、借方のみ発生、AND・OR条件指定した摘要文字列をあいまい検索、汎用管理項目の一つを証憑NOとし検索等、様々な組み合わせでの検索が可能となりました。問合せ機能では、未承認伝票含めB/S、P/L等からのドリルダウンによる伝票データ問合せが可能となりました。
経理担当者1人当り10~20拠点の処理を行っており、月次処理において、拠点の管理者よりの質問(例えば、広告宣伝費や交際費の内容は?)に対し、今までは内容確認後に再度連絡を行っていましたが、OPEN21導入後はその場で回答できるようになり、大幅に生産性が向上しました。
検索・問合せ機能活用のためには、正確な入力を行う必要があります。伝票入力機能では、項目を選択、項目の配置、項目の送り順の指定により、ユーザーにて入力画面を複数作成する事ができます。当社でも複数入力画面を作成し、各人が一番入力ミスを起こさない画面で入力を行う運用としています。
また、従来Accessを用いて行っていた伝票起票・承認業務をOPEN21の基本機能を利用した電子承認に置き換えました。これによりAccessを廃止する事ができ、業務の効率化と検索性の向上につながりました。
その他、蓄積された財務データから以下の二点を自動化しています。
①「管理会計」にて経営管理データを計算し、社内ポータルサイト「e-human」へデータ連携
②「連結決算連携」にて連結決算用のコード体系に変換し、既存の連結決算システムへデータ連携
最後に、電子帳簿保存法対応のため、毎月、旧会計システムから元帳等をイメージ保存していましたが、OPEN21では、伝票データの保存方法が制度対応のため、イメージ保存作業が不要となり生産性が向上しました。
―導入時や本稼働後の良かった点、悪かった点を教えて下さい。
導入時の大きな課題は、グループ運営が急遽、1法人単一セグメントから1法人複数セグメントに変更となった事です。OPEN21では仕訳データにセグメントコードを付与できれば問題なかったのですが、上流システムに項目がなく大きな課題となりました。ICSさんから上流システムの運用を考慮頂き、取引先コードにセグメント区分を付与できないかという提案を頂きました。その方法でしたら、運用可能と判断、OPEN21の連結データ出力をカスタマイズして頂き、無事解決できました。さすが導入実績が豊富な専門ベンダーで様々なノウハウを蓄積されており、全体的な最適提案をして頂き、感謝しております。
本稼働後に助かった、助かっている点は次の二点です。
一点目は、2014年4月にIT全般統制の有効化をスムーズに実現できたことです。OPEN21は、IT全般統制を有効化するための支援機能が元々実装されていたので、ロードマップ通りにスムーズに実現する事ができました。
二点目は、手厚いサポートサービスです。どのベンダー様も制度対応の無償バージョンアップや電話対応等のサービスはあると思いますが、導入時に感じた丁寧な対応は、期待通りの対応で2011年から約7年間利用していますが、大変、満足しています。
以上、導入約1年後の2013年と現在の2018年を比較すると処理会社数 13社から18社等、業務量 約1.5倍増加にもかかわらず、実質増員は1~2名に留まり残業時間も削減傾向です。約7年間の利用によるマスタ数・データ量の増加に対しての処理速度も問題は無く、OPEN21活用による効率アップとICSさんの手厚いサポートのおかげで一人当りの生産性が向上し、結果として総労働時間を低く抑えられています。
OPEN21活用で、生産性向上とe-文書法対応の実現を考えています。
―多大なご評価、誠にありがとうございます。今後の取組・課題をお教えてください。
執行役員 経理部長
石木 孝之様
先ずは、OPEN21のツールを使い基幹システム等とのデータ連携をファイル連携からデータベース直結型連携とし、さらなる効率化を実現する方針です。
次に、平成31年10月より予定の消費税10%増税対し、対応を検討しています。10%増税が確定していなかったり、軽減税率がどうなるか等、不透明な状況ですが、事務全体に大きな影響を与える事柄ですので、想定されるパターンに応じたシステム面での対応について、ICSさんにもご協力頂きながら、準備を進めたいと考えています。
最後にOPEN21の新機能活用により、e-文書法への対応を前進させたいです。新機能の特長は会計伝票と電子ファイルのLINK機能とご提案頂いています。現在構築中の新ワークフローの電子ファイルをうまくOPEN21の会計伝票とLINKする事により対応できたらと考えています。
今後、OPEN21の新機能を活用し、さらなる生産性の向上に取り組んでいきたいです。
石木様、ご協力ありがとうございました。