【導入成果】
Withコロナ環境下、DX推進への会計情報活用の仕組みが構築できました!
会計情報(仕訳データ)を活用したDB構築の実現ポイントはどこでしたか?
OPEN21のファイル体系を活用してDB構築しました。OPEN21の科目体系は5階層で明細科目が仕訳入力項目です。この階層により、個別の決算書や試算表が集計できます。この科目体系をキーに補助科目(枝番)と任意拡張項目であるユニバーサルフィールド(UF)を国内5社の共通ファイル体系として構築しました。UFはユーザーが自由に拡張できる項目のため、文字数制限、文字列や英数字のみといった、入力値に制限をかけたり、マスタ化することもできるため、DB構築のための仕訳項目の付加情報として活用しています。
また、マスタの属性項目を管理できる項目=拡張プロパティという機能があります。この機能を使って、OPEN21の明細科目コードと連結科目コードを紐づけ、取引先コードの属性としてメイコーグループなのか、外部取引先なのかを判定させる区分として利用しています。
UFの活用例としては、経費精算システムからセットされた社宅などの物件名を、外形標準課税の元情報として利用したり、メーカー以外の商流の購買先元情報(メーカー)を基幹システムからセットし、購買メーカーの実績の把握・分析で利用したり、会社が代理手配する航空券等の情報を経費精算システムからセットし、出張全体の経費分析の情報として利用しています。UFは、全部で10種類以上利用し、その拡張項目が仕訳データに付加されているので、必要な時に必要な情報のみをエクスポートでき、会計情報のDB構築を実現できました。
DBのデータインプット・アウトプットでどうOPEN21を活用されていますか?
仕訳データの拡張項目の管理を実現しつつ、業務効率を落とさないためには、データ連携の柔軟性が必要でした。OPEN21はこの機能が優れているので、非常に助かっています。
例えば基幹システムとの連携では、まず基幹システムからデータ出力します。そのデータを「IDC」の設定により元データの不要項目を削除、貸借になっていない金額項目を借方・貸方のある仕訳に変換、OPEN21取込用の仕訳データを生成、OPEN21で取り込みを行います。さらに、OPEN21のデータ取込レイアウトは、連携するデータの種類毎に項目の取捨選択が設定により可能です。取引毎の発生項目に限定することにより、最低限の変換工数で対応可能でした。
このデータ連携設計によって、7種類以上ある連携システムやデータでそれぞれ発生する拡張項目を仕訳データに付与し、月間約10万行以上もある仕訳データの約9割をデータ連携で対応できました。
その他、伝票入力設計・レポート設計についても取引・用途によって、拡張項目を取捨選択したパターンを複数設定可能なので便利に活用しています。
伝票入力設計では、取引毎に発生しない項目を画面から外す事によって業務効率化とミス防止に役立っています。
レポート設計では、「基本会計 元帳」を使って、拡張項目を予実システム連携用や外形標準課税の確認用に設定したり、また、「アナライザー」を使った拡張項目+拡張プロパティの集計レポートで、連結用にグループ会社間の債権債務の突合や会計監査用に科目集計を取引先別や枝番別での発生推移等で利用しています。
以上の通り、DB構築のための仕組みとしてOPEN21を大いに活用できています。
OPEN21は、どの点で会計業務の自動化・効率化にお役に立ちましたか?
予実システムとの毎日の連携業務を「RPA」により自動化しました。まず、特定の時間に元帳出力機能を起動、予実連携用の設定パターンで元帳データを出力、「IDC」で予実システム取込用データに変換、所定のフォルダに国内4社分、保存するという一連の作業を全て「RPA」で自動化しました。「RPA」の設定はドラッグ&ドロップと非常にシンプルで、「IDC」同様、複雑なプログラム開発は不要でした。
次に支払業務の自動化についてです。旧会計システムでは、複雑な支払条件に対応できなかった為、別途、Accessを使用した取引先別の支払明細を作成等、余計な工数がかかっていました。
OPEN21「債務管理」は、購買管理から連携した債務仕訳を支払明細として「債務管理」へ抽出、支払日で取引先別に合算、「債務管理」に設定した16の支払条件に基づいて取引先別に振込や手形等の支払データを自動作成することができます。
その支払データを基に振込は「債務管理」からEBデータを作成、そのままWebバンキングにアップロード、手形発行は「債務管理」から市販のプリンタで手形発行(金額は漢数字)しています。支払手続き完了後、「債務管理」から支払仕訳を自動作成し、一連の支払業務の自動化を実現できました。
次に「基本会計」の操作性向上により、業務効率化できた例です。
伝票入力は、部門と科目の組み合せチェックや科目をキーにした各入力項目の未入力チェックが可能で、この機能により入力間違いを大幅に削減できました。
また、検索条件指定が豊富な伝票データ検索、元帳や試算表等からのドリルダウンにより、特定の伝票データをピンポイントで問い合せし、必要に応じて伝票修正・訂正、履歴保存が可能になりました。これらの機能は旧会計システムではできなかった事で、業務効率化を実現できました。
今後の変化にはどのような対応をお考えですか?
今後、想定する変化は、制度改正への対応とM&A等によるグループ会社の追加及び管理項目の拡張です。
制度改正については、ICSさんの対応実績やユーザー数の多さから心配していません。
グループ会社の追加の際は、導入時と同様にグループ共通の会社マスタをコピー、管理項目の拡張の際は、データ連携・伝票入力・レポートの設定変更で対応可能なので、こちらも安心です。さらに構築からサポートに携わって頂いているシステム担当者さんのスキルも非常に高く、依頼内容の理解からOPEN21の影響とその解決策の提示が非常にスピーディーで助かっています。
ちなみに導入時は、国内グループ5社のシステム構築を経理本部の兼任者2名でスケジュール通りに構築できました。2020年5月末にキックオフ、業務ヒアリング後のデータ連携確認や設定、マスタ及び各種設定の準備期間は実質5カ月でした。テスト稼働最中の2021年1月~3月には、2回目の緊急事態宣言が発令されましたが、準備に大きな不備は無く無事に2021年4月の本稼働を迎えることができました。
特にデータ連携は対象が7システム・連携パターンは20以上と対象が非常に広範囲でしたが、OPEN21のデータ連携機能の柔軟さとシステム担当者さんのスキルの高さで短期間の対応ができ、とても感謝しています。
OPEN21の導入効果を教えて下さい。
次の3点になります。
一つ目は、会計情報の拡張性と柔軟なデータ連携機能でDX化を推進できた事です。会計システムの管理項目は増加しましたが、人員や残業の増加をせずに対応することができました。
二つ目は、専門「RPA」や「債務管理」の支払機能を活用し、会計業務の自動化・効率化を実現できた事です。
三つ目は、システムの柔軟性とシステム担当者さんのサポート力により、変化に対応可能なシステム・仕組みを構築できた事です。安永様、ご協力ありがとうございました。
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