株式会社あらた様 OPEN21導入事例
「次世代型卸商社」としてあらた様は設立より成長戦略を描き続けています。
その基盤をささえる経理部門では、決算早期化と会計業務のローコスト体制の構築・継続が必要でした。
その対応にどうOPEN21を活用されてきたかを経理部 渡辺様にお話をお伺いしました。
OPEN21三世代に渡る活用により、
決算早期化とローコスト体制を追求!
- 株式会社あらた
- 管理本部 経理部 経理課 マネージャー
- 渡辺 慎哉様
- ユーザー様ご紹介
会社名 |
株式会社あらた |
所在地 |
東京都江東区東陽六丁目3番2号 |
設立 |
2002年4月1日(東証第1部 上場) |
資本金 |
70億2,600万円 |
売上高 |
7,329億円(連結 2018年3月期) |
従業員数 |
3,023名 (連結 2018年3月期) |
事業内容 |
①化粧品・日用品等の卸売販売
②物流センターの管理運営及び
一般貨物、利用運送事業
③小売業の販売店頭支援業務の受託
④各種情報処理サービス業及び
情報提供サービス、他 |
事業
ネット
ワーク |
事 業 拠点:全国7支社59拠点
連結子会社:10社
関 連 会社:1社
(2018年3月31日現在) |
URL |
http://www.arata-gr.jp/ |
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- 第一次導入時(2005年)の背景・課題・対策
- 背景:4社合併、各社独自の会計システム利用
- 課題:決算業務、管理会計業務が非効率
- 対策:システム統合、分散処理、データ一元管理
- 第二次導入時(2010年)の背景・課題・対策
- 背景:規模拡大・子会社増加、内部統制対応
- 課題:人的な統制、ボリューム増大対応
- 対策:IT統制、消込業務平準化・決算資料自動化、
- 第三次導入時(2017年)の背景・課題・対策
- 背景:「次世代型卸商社」へ、e-文書法改正
- 課題:文書電子化の活用、さらなる業務効率化
- 対策:伝票+文書ファイルLINK、データ連携
ボリュームと対象業務増加にもかかわらず、適正人員での対応が必要です!
―設立から現在までの経緯を教えて下さい。
管理本部 経理部
マネージャー
渡辺 慎哉様
先ずは、2002年4月に北海道のダイカ㈱、名古屋の伊藤伊㈱、福岡の㈱サンビックの3社が共同で持ち株会社として株式会社あらたを設立、3社はその完全子会社となりました。
その後、同年9月に四国の徳倉㈱が子会社となりました。そして、2004年4月に上記4社と伊藤伊㈱の子会社である野村商事㈱が合併し、新生 株式会社あらた が誕生しました。
この合併の目的は、次の二点です。
①事業規模を活かし、全国にローコストで 安定的な商品供給が出来る体制を構築する。
②間接部門の強化、物流面の効率化、統合4社のネットワークを通じた販売拡大など
経営基盤の強化を図る。
その後、グループ会社の増加、合併や業務提携を通じ、グループの年商規模は、2004年3月期 4,248億円から2018年3月期 7,329億円と約1.7倍の成長を達成できています。
会計制度の変遷を振り返ると、45日開示、内部統制対応、四半期報告制度のスタート、消費税が8%、e-文書法改正(スキャナ保存の要件緩和)とインパクトの大きい変化が続きました。
内外の環境変化に対し設立時からの目的である間接部門の強化のため、事務センターの統合や会計業務の効率化・標準化・集約化をすすめ、決算及び管理会計業務の早期化とローコストな体制構築(適正人員での対応)の追求に取り組んで参りました。
―OPEN21を活用し、どのようにローコスト体制の構築を追求されてきましたか?
足掛け13年、三世代に渡るOPEN21活用で対応しています。(OPEN21導入イメージ:参照)
各支社それぞれで使用していた会計システムを2005年4月からOPEN21に統合しました。
自社のサーバーセンターで一元管理し各担当者の端末よりサーバーへ接続して利用する構成です。現在では、6社の処理を約70名で利用、国内子会社の会計データを一元管理し本社で確認できる環境を構築しています。
プログラムは、その時点の要件に従って導入してきました。
第一次では、決算処理を行う「基本会計」、管理会計の集計を行う「部門別管理」、未払金の支払を行う「債務管理」という構成です。
第二次では、「内部統制版」にバージョンアップ、経過勘定の消込を行う「消込管理」、決算関係書類作成を自動化する「ICSエクセル関数」、既存ワークフローと連携する「インポーター」を導入しました。この時期に子会社の㈱ジャペルグループ2社がOPEN21を単独で導入、月次で仕訳データを本社サーバーに取り込んでいます。
第三次では、「e文書対応版」にバージョンアップ、資産管理と償却費配賦仕訳を自動化する「固定資産管理」、基幹システム及び給与パッケージと仕訳連携する「ICSデータコンバータ―(以下、IDC)」を導入しました。
業務量増加にもかかわらず、少人数で決算早期化を実現!
―2005年時点ではどのような課題解決を実現しましたか?
管理本部 経理部
マネージャー
渡辺 慎哉様
導入前は旧4社の会計システムを各支社で利用していました。月次締め後、EXCELデータを本社に集め合算していたので、手戻りと拠点への取引内容確認のため非常に時間がかかっていました。
この課題解決のため、会計システム統合を目的に2004年7月にベンダー5社にRFPを依頼しました。各ベンダーさんとも分散処理、データの一元管理及び法改正への対応を満たしていたので、使い勝手を選定ポイントとしました。理由は会計処理ルール等がバラバラな旧4社の担当者 約100名が使うためです。
各システムのデモを拝見した所、一番評価の高いシステムがOPEN21でした。例えば、試算表・元帳から仕訳へドリルダウンが可能、仕訳検索で全入力項目の条件指定や摘要文字のあいまい検索が可能、外部I/Fは固定フォーマットではなく項目編集が可能などです。また、長年OPEN21ユーザーであった旧㈱ダイカでサポートの評価が高かった事も選定理由のひとつでした。
その後、同年9月末から2005年4月本稼働(6ヶ月後)を目標に導入作業に入りました。当時、約80拠点 100名が利用する規模でしたのでタイトなスケジュールでした。導入中は、様々な問題がありました。例えば、導入前は各支社で別々の会計システムを利用していたので本支店会計が必要でした。問題点としては、処理が煩雑、振替仕訳による取引の確認が困難、データボリューム増加です。打合せの際、 ICSさんより本支店会計から部門付替変更のご提案を頂きました。社内で検討の結果、支社別BSが必要無い事が分かり本支店会計を廃止、効率的な運用が実現できました。その後もICSさんの手厚いサポートのおかげで、担当者教育やテスト稼働とも無事クリア、2005年4月より本稼働を迎えることができました。
当初の狙い通り、決算及び管理会計業務の効率化と早期化を実現できました。
―2010年時点ではどのような課題解決を実現しましたか?
この時期は、規模拡大と子会社増加、内部統制・四半期報告制度・45日開示への対応で、取引ボリューム及び対象業務増加(統制業務及び決算回数の増加)にもかかわらず、迅速な開示が課題でした。
そこで「内部統制版」へバージョンアップ、仕訳データ毎に入力者、入力日時、更新者、更新日時の履歴管理等を活用し、人的コントロールからシステム統制を実現しました。
次に、「消込管理」を導入し、経過勘定の消込業務の平準化を実現しました。当社では従業員が多いので仮払金の消込や自動引落や毎月発生した取引を半年程度集計して支払う未払金の消込が非常に煩雑でした。導入前は各担当者が月次締め後、元帳で消込していましたが、導入後は月中のシステム処理が可能となり残業時間が削減できました。
また、「ICSエクセル関数」 というファイルを開くだけでEXCELフォーマットにOPEN21のデータを抽出可能な機能により、決算関係資料作成の自動化・標準化を実現しました。
さらに、既存のワークフロー(経費精算)システムとの連携により、各拠点の伝票入力を効率化しました。当社では、拠点別にシステム上の締処理が発生するため、人の操作による取込作業を避けたかったのですが、
「インポーター」という機能により、外部プログラムからOPEN21のDBへ直接書き込む運用を実現できました。
このように取引ボリューム及び対象業務の増加にも効率化をすすめることにより、決算業務の早期化を実現することができました。
―2017年時点ではどのような課題解決を目指しましたか?
この時期は、東証一部に指定、事務を48拠点から5事務センターに集約、「次世代型卸商社」に向けた取組開始、e-文書法改正が大きな変化で、さらなる成長を実現するため、決算及び管理会計業務でさらなる効率化・早期化を目指しました。
そこで、「e文書対応版」へバージョンアップ、税制でも後押しされている文書の電子化を活用し決算業務の効率化を目指しました。新バージョンではe-文書法に則って電子化した証憑を伝票にリンクして保存できるというご提案を受けました。当時、各拠点で支払を行い、証憑類(請求書等)を保管していました。決算時、監査法人から固定資産の請求書原本を求められると、各拠点への確認で1~3日かかる事があり、新機能活用によりこの課題を解決できると考えました。
次に仕訳データ投入についてです。第一次時点からOPEN21の外部I/Fの項目編集機能のおかげで実務者が作成したEXCELシートで仕訳データの取込を実現していました。さらなる効率化・早期化のためには、EXCELで一覧を作成し取込という作業からシステム間の自動連携を目指しました。一つ目は「固定資産管理」を導入し、管理会計用の償却費配賦仕訳の自動化です。二つ目は基幹システム及び給与パッケージとの連携自動化です。基幹及び給与連携は様々な理由でなかなか着手できなかったのですが、 「IDC」というデータ変換ツールを導入することにより工数や費用が抑えられ、実現できる状況となりました。変換プログラムの開発と比べ、費用や工数を30~50%程度削減できる想定です。
現在、上記施策は検討・準備中なのですが、最新バージョンへの切り替えは完了しています。第二次・第三次ともにデータ・各種設定移行はICSさんにご対応頂け、担当者へ機能アップの内容の講習会を1回実施、処理月で新旧システム切り替えが可能なので移行ダメージがほぼありませんでした。
内外の様々な変化により取引ボリューム及び対象業務は増加しましたが、三世代に渡る OPEN21活用で、月次・本決算の早期化を実現でき、担当者の自然減にも対応できています。(導入の変遷と効果:参照)
ICSさんには、タイミングの良いシステム開発と当社の要望に応じたご提案、その実現にご尽力頂き、大変、感謝しております。
第三次導入の施策を実現し、会社の成長に貢献したいと考えています!
―お役に立てて何よりです。現在の課題や今後の目標を教えて下さい。
管理本部 経理部
マネージャー
渡辺 慎哉様
現在、第三次導入の各施策を検討・準備中です。
まず、固定資産の証憑類の電子化ですが、支払を拠点から本社集中に変更し原本を本社保管に変更しました。従って、e-文書法への対応に目的を切り替え、適正事務処理要件作成を含めた運用を検討中です。
次に「固定資産管理」は、資産データの移行がほぼ終わりこれから償却費配賦仕訳の連動確認を行っていく予定です。
また、基幹システム及び給与パッケージ連携は、データ作成から連携の効率の良い運用を含め、変換の仕様決定、連携テスト及び運用テストを行い、問題なければ本番と考えています。
今後もICSさんに協力をお願いし、会社のさらなる成長や経営基盤強化に貢献できるようOPEN21を活用していきたいと考えています。
渡辺様ご協力ありがとうございました。